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2015年12月9日
大和野菜~味間の伝統を守っていきたい~
田原本町 西浦 正嗣さん
「遊休農地を活用し、味間の伝統を守っていくことにやりがいを感じます」と話すのは、田原本町の西浦正嗣さん。奈良の大和伝統野菜に認定されている味間いもの栽培を手掛けている。
西浦さんは製鉄関連会社を退職後、父親の後を継いでハクサイ2㌃、キャベツ2㌃のほか、2015年1月に新たに大和伝統野菜に認定された味間いも6㌃を栽培している。
味間いもは一般的なサトイモよりも大ぶりで、硬すぎたり柔らかすぎたりするイモができにくく、切った断面は白くてキメが細かく粘り気が強いことが特徴。
湿害にかかりやすいため水分管理が難しく、水分を多く含んでしまった味間いもは煮えにくく、食感がゴリゴリしてしまうという。連作障害にもかかりやすく、5年程度の間隔は空ける必要がある。
「今までにも天候に左右されて水分管理がうまくいかず、例えるとひょうたんのような形の味間いもが採れたこともあります」と苦労を話す。
2畝に1つは30cm程度の深さの溝を掘り、溝から排水するようにすることや、機械が通れるように畝間を80cmと広めにとるなど工夫している。
出荷先は主にJAならけんの「味間にこにこ農産物直売所」と「まほろばキッチン」の2店舗で、味間いもは田楽や煮物のほかにイベントで出店される豚汁に使われることも多い。
また、出荷できずに廃棄する味間いもを活用したベーキングパウダーを加工品として試作していて、6次産業化も視野に入れているという。
「リピートしていただいている消費者も多く、出荷時期を訪ねてこられる方もいるので嬉しいです」と笑顔で話す。
今後について「ずっと味間の伝統を守っていきたいので、農業ができるうちに後継者を育成していきたいです。また、加工品を商品化していきたいです」と意欲的に話す。
とっておきフォトグラフィ
「良質な味間いもが採れた時は嬉しいです」と西浦さん