ここから本文です。
2024年11月19日
秋の味覚届けます
五條市 泉谷 祐希さん
厳しい暑さが続いた夏が終わり、穀物や果物などが収穫時期を迎える「実りの秋」。近畿版では2週にわたって、各府県から秋の農産物を紹介します。お勧めの食べ方も掲載していますので、ぜひお試しください。
「柿は幅広い世代に愛される。大きな良い実ができたときやお客さんにおいしいと言ってもらえたときはうれしい」と話す五條市の泉谷祐希さんは、代々続く農業を約3年前に受け継ぎ、柿とウメを栽培する。
「柿は一年かけて育つので失敗すると取り返しがつかないが、一年を通して成長している姿が見られることがやりがいであり、秋の収穫時期が一番の楽しみであり魅力」と笑顔で話す。
日当たり・土壌・水分量・風当たりの四つの要素が重要といい、木々の間隔を広げ、日当たりや風通しを良くし、一つ一つの実に栄養が行き渡るよう木の本数を制限する。収量は減るが、実が大きく、良食味、高品質なものができるという。
同市は「柿のまち」といわれることもあり、地形や気候、高地ならではの温度差など柿栽培に適した環境だが、近年の地球温暖化や異常気象で病気になりやすいなど、柿への影響を受けている。そこで有機肥料に変更した土壌改善や農薬の使用回数を減らすなど、さまざまな工夫を凝らす。
「『柿が赤くなると医者が青くなる』ということわざがあるように、柿は健康食材とされている。風邪予防や疲労回復、美肌効果などが期待でき、栄養満点の自慢の柿を多くの人に食べてほしい。そのまま食べるのが一番おいしい」とお勧めする。
「今後は栽培面積を増やし、他の作物にも挑戦してみたいと思っている。高齢化が進んでいるので、私自身が高品質でおいしい柿を作り続け、柿で地域を盛り上げていきたい」と意欲的な泉谷さんだ。
▽経営規模=柿(5㌶)、ウメ(20㌃)
「柿の実が色づき始めるとうれしい」と泉谷さん