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2023年9月27日
~価格低下の際の支えに~
奈良市・上久保 淳一 さん
「収入保険があれば、やむを得ない事情での離農を防ぐことができる」と話すのは、奈良市で茶8㌶を栽培する上久保淳一さん。
新型コロナウイルス感染症の流行により、レストランやホテルなどでの需要が落ち込み、価格の低下となり、収入減少につながった。
「価格が乱高下する茶では経営を継続することが難しい」と話す上久保さんは県内での収入保険加入者第1号。加入のきっかけは収入保険の説明会に参加したことだという。
「補償が高く、プランを選べるのが良い。事故がなければ保険料も下がっていくので、経営のモチベーションにもつながる」と話し、「つなぎ資金として無利子で貸し付けを受けることができ、保険金受け取りまでに肥料などの支払いに充てることができた。農業者だけでなくメーカーなどにとっても素晴らしい制度だと思う」と話す。
収入減少のリスクには輸出の際の為替変動などもあるといい、「安定的な作物生産や経営のためにもぜひ加入してほしい。制度のことをあまり知らない人もいるため、普及を進めてほしい」と未加入者への普及を期待する。
自園のお茶をPRする場としてこのほど、フラッグショップをオープンする予定の上久保さんは「以前、お客さんの目の前でお茶を入れたときに言葉にならないような笑顔になったことがあり、うれしかった」と話す。
「これからも安定経営を図りつつ、地域やお茶の魅力に触れて知ってもらうきっかけづくりをしていきたい」と意気込む上久保さんだ。
▽経営規模=茶「やぶきた」「つゆひかり」「おくみどり」「さえあかり」(8㌶)、水稲(90㌃)