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2023年5月17日

~ハウスでイチゴ~ 堅固な経営へ

広陵町 松尾観光農園 松尾秀樹さん

イチゴの出来具合を確認する松尾さん

 「農業は頑張った分、自分に結果が返ってくることがうれしいです」と話すのは、広陵町でイチゴ栽培に取り組む松尾秀樹さん。ハウス11棟35㌃で「恋みのり」「古都華」「章姫」「あすかルビー」などを栽培する。安定した収量、収入を確保するために、さまざまな取り組みを行っている。

 大学で農業を専攻していた松尾さんは衣食住の大切さに関心を持ち、さらに「農業の高齢化に伴って自分にもチャンスがあるのでは」と考え、就農を決めた。
 最先端の農業を学ぶため1年半渡米。帰国後は「イチゴを嫌いな人は少ない。みんなが笑顔になれる作物だ」と注目し、栽培作物に決めた。管理技術などを斑鳩町のイチゴ農家で2年間、広陵町が行う研修事業で半年間学び、2015年4月に就農した。
 「非農家出身なので就農時は圃場の確保をはじめ、ハウスを建築するための何千万円もの資金調達に苦労しました。また、就農当時は、イチゴ農家が周りに少なく、研修時の経験をもとに試行錯誤しました」と当時を振り返る。

 収入保険で備え万全

 「最近、苗が病気になることが多く、収益になる本圃ハウスより育苗に力を入れ直さなければいけないということに気づきました。栽培管理はもちろんのこと育苗ハウスが6㌃ありますが、圃場を探すなどし、倍の12㌃に増やし苗の安定供給を図りたいです」と松尾さん。「収入保険に加入しているので、収入補てんしてもらえ、安定した経営ができています」とリスクにも対応している。
3月から5月に予約制のイチゴ狩りに取り組む。それに伴い安定した収量を確保するために毎年少しずつ、栽培棚を2段に増設している。
 また、自園産イチゴを使ったクレープやかき氷(数量限定)を、敷地内で販売することにも力を入れている。
 松尾さんは「就農にあたっていろいろな人にお世話になったので、イベントなどに積極的に参加し、地域へ恩返ししていきたいです」と笑顔で話す。

「栽培棚を2段にしています」と松尾さん」

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