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2020年6月16日

~つながりを大切に~ 野菜作り、遊休地活用、直売、食育・・・

奈良市 農業法人(株)ゲミューゼ 島田 優さん 藤井 宏次さん

藤井さん(手前)と島田さん。「これからも夢を追い続けていきたい」と話す。

 「農から始まる新たなつながりを大切にしたい」と話す奈良市の「農業法人株式会社ゲミューゼ」代表を務める島田優さん。共同経営者である藤井宏次さん、従業員らとともに、農作物生産を柱に、遊休農地解消活動、食品加工、直売、農福連携、食農教育、農業体験提供と、意欲的に取り組んでいる。

 島田さんと藤井さんは、近畿大学農学部在学中に、学生農業団体を立ち上げた。「大学のときトマト農家と知り合い、その人が作ったトマトのおいしさにほれ込んだ」と島田さんは話す。

 2人は、農作物生産だけでなく社会貢献を含めた幅広い農を実践したいと思うようになり、卒業を控えた17年2月に法人化し、トマト栽培を始めた。

 現在は、野菜の露地栽培を奈良市と大和郡山市の合わせて1㌶で行い、大和郡山市にあるビニールハウス5棟30㌃でトマトを栽培。その他に川西町の水田2㌶では地元農家と共同で米作りを行う。

 露地栽培やハウストマトは土づくりに重点を置いている。牛ふん、馬ふん、米ぬか、もみ殻を使って有機堆肥を製造。「微生物の力での肥料作りは手間と時間がかかるが、おいしいトマト作りには欠かせない大切な作業です」と藤井さん。島田さんも、「肥よくな土壌で育った作物は日持ちが良くなります。購入者からはおいしいと好評です」と手応えを話す。

 トマトは11月、2月を中心に5500株定植し、8月ごろまで50㌧収穫。「旬の駅ならやま」や「近商ストアハーベス大和郡山店」などで販売している。

 生駒市の「社会福祉法人いこま福祉会かざぐるま」との連携事業でも有機堆肥を使って農作物を生産する。同法人所有の農園で栽培指導や環境整備を担い、施設通所者と野菜作りに励む。さらに、同法人と協力して食農教育の実践、地域の子供たちを対象にした学びの場づくりも行う。

 食農では、ただ体験するだけでなく、野菜の育ち方、微生物の働きなど、自然を科学する力を育む教育をしているという。

 今後について、「農作物の生産だけでなく、多様な分野との連携、多角的な取り組みを行い、奈良県の農業を盛り上げていきたい」と島田さんと藤井さんは声をそろえる。

 ▽農業法人株式会社ゲミューゼ=Gemuse01410831@gmail.com

 ▽トマトは「ゲミューゼ濃厚トマト」「ゲミューゼ爽快トマト」の名前で販売。濃厚トマトは1袋400㌘400円前後、爽快トマトは1袋500㌘300円前後(ともに税込み)

「自慢のゲミューゼトマト」

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