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2020年3月23日

~良品生産へ丁寧な管理 菌床シイタケ 3種類を秋冬栽培~

橿原市 雉子の郷 吉田 裕彦 さん

「シイタケが苦手という方や子どもも食べてくれます」と吉田さん

 「シイタケを地元の名産にしたい」と話すのは橿原市で菌床シイタケを栽培する吉田裕彦さん。丁寧な管理で良品生産に努める。

 吉田さんは定年退職後、先祖代々の農地で農業に専念することに決めた。2016年にキノコ栽培施設「雉子の郷」を建て、秋冬出荷の菌床シイタケを中心に栽培に着手。「菌床シイタケは大玉で肉厚、弾力ある歯触りが特徴です」と話す。

 「発生には刺激を与えてあげることが大切」と吉田さん。日中はハウスの室温を20度以上に保ち、日が沈むと空調を切って室温が自然と下がるよう管理する。この温度差が絶好の刺激となり、大きくて肉厚のシイタケが育つという。

 接種済みの菌床3品種を静岡県の業者から購入し、6月下旬から管理がスタートする。収量は菌床1個当たり約20個、700~800㌘。10~11月にかけて1日当たり60㌔、計60万個収穫する。

 「栽培を始めた当初はハウスの温湿度調整が難しく、満足できるシイタケができなかったことがあった」と振り返る。良いシイタケができても販路が無く、売り上げにも結びつかなかったこともあった。

 自園での直売や地元直売所での扱いを増やしていくうち、口コミで評判が広まり、JAならけんの直売所「まほろばキッチン」をはじめ葛城市の「道の駅かつらぎ」、県内や京阪神の有名スーパー、近鉄百貨店奈良店などで販売する。また、橿原市ふるさと納税の返礼品にも選定されている。

 「直接買いに来て『初めてシイタケがおいしく味わえた』と言ってくれるお客さんもいます。私のシイタケには特有のにおいやえぐみが少ないため、シイタケが苦手な方や子どもも喜んで食べてくれています」と吉田さんは話す。

 シイタケの他に、黒キクラゲ・白キクラゲ、ナメコの菌床栽培も手掛ける。中でも白キクラゲは乾燥させずに出荷していて、珍しいと評判だ。

 年間通じてさまざまなキノコを栽培し、今後については「新鮮でみずみずしいキノコを多くの方に食べてもらいたい。そして農園を大きく広げていけたら」と意欲的に話す。

菌床シイタケは年間60万個収穫する

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