ここから本文です。
2020年1月27日
～地域活性へ創意工夫 耕作放棄地を再生～
御所市 葛城山麓農園株式会社 西村 俊伸さん
「事業を通じて地域社会に貢献したい」と西村さん
「増え続ける耕作放棄地をなんとかしたい」と話す御所市の西村俊伸さん。農業法人を立ち上げて野菜生産を拡大し、一方で、人を引きつける地域をつくろうと観光・農・食を生かしたさまざまな活動に取り組む。農家レストランのオープンももうすぐだ。
西村さんは、地元の耕作放棄地を再生しようと、２０１５年３月に「葛城山麓農園株式会社」を設立させ、葛城山麓の農地３㌶で、大和伝統野菜をはじめとする５０種類の野菜を栽培。農地利用を拡大させている。
地域活性に取り組むきっかけは、０１年に地元の葛城青年会議所に入会したことという。さまざまなイベント活動に関わる中で、「問題点が見えてきた」と振り返る。「観光に訪れた人が休憩する場所や楽しめる店がない。記念となる土産、物産もないと気づきました」
そこで、地元の仲間たちなどと知恵を絞り、同市が実施する町おこし事業に、「葛城の峰・G級グルメコンテスト」と名付けた事業案を応募した。見事採用され、イベントを開いて地域を盛り上げた。西村さんはコンテスト部門委員長として活躍。同市がオリジナリティーあふれる食材の宝庫であることを、イベントに訪れた県内外の人に大いにアピールした。
「このにぎわいがいつまでも続けばいいのに」と考えた西村さんが次に取り組んだのは、農業経営の基礎や事業運営のこつを学ぶことだった。６次産業化の説明会に参加したり、企業が開講する農業ビジネス講座で１年間学んだりした。
事業計画を立てる一環として県が主催するビジネスコンテスト「ビジコン奈良２０１５」に「葛城山麓エリアの観光資源と大和伝統野菜の大和いもを活用した地域活性化プラン」を応募したところ、優秀賞を受賞した。
西村さんは６次産業化として、ジェラート工場を建て、自家産野菜を生かした「大和いもと酒粕を使ったジェラート」「大和三尺きゅうりのジェラート」などを開発。顧客から「素材の風味や香ばしさを生かす工夫がされている」と好評だという。
西村さんは今後について「貸農園や収穫体験、農家レストランを完成させ、もっと地域に貢献していきたい」と話している。
「大和いもと酒粕を使ったジェラート」
