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2019年10月16日
~高原の寒暖差生かして 良質トマト~
曽爾村 寺前 健史 さん
「おいしい『曽爾高原トマト』を多くの方に食べてもらいたい」と話す曽爾村の寺前健史さん。7月初旬から10月中旬までトマトの収穫を行う。土作りから収穫まで手間をかけていて、曽爾高原の夏の寒暖差を生かしたトマトは、甘みと酸味のバランスがいいと好評だ。
寺前さんは27棟、41.5㌃のビニールハウスでトマト「麗夏」を栽培している。曽爾村のトマトとして長く栽培されてきた品種は「桃太郎」だったが、麗夏は裂果に強い品種特性があることから、5年前に導入したという。村の気候に適し、ロスが少ないため、収量が増えた。
曽爾高原トマトは、曽爾村トマト部会で共同育苗している。部会でまとめて種子を購入し、3月中旬に台木用と穂木用それぞれ2万粒、1粒ずつトレーに播く。種から育てることで生産コストを安く抑えることができる。
発芽後、トマトの病気が出ないよう、一つ一つ接ぎ木作業を行い、強い苗を生産する。温度と湿度を管理した育苗機で3日間養生させ、定植へ。寺前さんの定植作業は2回、時期を分けて1万本植え付ける。
定植後は水やりと追肥、授粉と摘果作業を繰り返すが、トマトの成長を持続させて、収穫が長期間出来るように、段ごとにトマトを摘果するという。
曽爾高原トマトは7月初旬から出荷し、梅雨が明けたころにピークを迎え、10月中旬まで続く。収穫の終盤を迎える9月中旬には、摘心作業がある。「これ以上伸ばしても、寒くなるとトマトは着色しないので、開花11~12段目で成長点(茎)を切り取ります」と寺前さん。出荷が終われば、支柱を外し、次の年に向けて土作りが始まる。年に1回しか作付できないリスクがあるため、大切に育てて出荷している。
今後について「曽爾高原トマトのおいしさをみんなに知ってもらいたい。そして、後継者を育成し、いつまでも曽爾高原トマトを作り続けていきたい」と話す。