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2019年8月15日

~産地化へ一丸~ 緑黄色野菜ツルムラサキ

明日香村 窪田 隆温さん
一般財団法人明日香村地域振興公社 梅谷 嘉伸さん

収穫期を迎えたツルムラサキの畑で梅谷事務局次長㊧と窪田さん

「明日香村をツルムラサキの産地にしたい」と意気込むのは、明日香村の農家・窪田隆温さんと、一般財団法人明日香村地域振興公社の梅谷嘉伸事務局次長。農家と公社が密に連携して、ツルムラサキの作付面積の拡大や消費拡大などに取り組んでいる。

 村内では、高齢化や担い手不足などにより耕作放棄地の増加に歯止めがかからず、解消に向けての対策が急務だった。そこで同公社は、比較的栽培しやすいツルムラサキに注目した。成長が早く、暑さに強い特性があるという。

 4年前から導入が始まり、村が新規就農者にツルムラサキ栽培を勧めたことも相まって、現在は15戸が2.6㌶で露地栽培している。

 窪田さんがツルムラサキ栽培を始めたのは3年前。「公社から『年配の方でも手軽に栽培できる』と勧められた」という。「定植後は手間がかからず、次から次へと芽が出てきて何度でも収穫できる」と話す。

 出荷規格は長さ25㌢程度、1袋200㌘とし、同公社が近畿圏内の大手スーパーに販路を確保する他、生産者個々に村内の直売所に出荷する。

出荷袋にはツルムラサキの栄養成分やレシピを掲載

 ツルムラサキの消費拡大を図る策として、同公社がレシピ(5種類)を考案し、販売の際に添付するようにした。さらに、インターネットのレシピ紹介サイトにさまざまなレシピを掲載している。

 また、ツルムラサキを練り込んだ「翠麺(みどりめん)」を商品化。「色鮮やかな緑色の見た目とネバ・トロが作り出すツルツルとした食感が特徴」と梅谷事務局次長はPRする。

 公社と生産者らの努力が功を奏して、ツルムラサキの知名度は徐々に上がっている。そこで窪田さんは今年、既存のハウスを利用して早期出荷に挑戦。4月に定植、5月15日から出荷した。「来年はもう少し早めたい。売り場で話題になれば」と窪田さんは期待をかける。

 梅谷事務局次長は「これからも生産者と一緒に試行錯誤しながら、ツルムラサキの産地化に向け頑張っていきたい」と意気込む。

ツルムラサキを練り込んだ翠麺(提供=明日香村地域振興公社)

 

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