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2019年2月15日

~子供たちのために 就農して有機農業に挑戦~

平群町 東樋口 正邦 さん

 平群町の東樋口正邦さんは、水稲と露地野菜を、除草剤・科学肥料を使わずに栽培する。また、3年前からは子供たちに米作り体験の場を提供している。「農園のモットーは『子供たちの未来にかかる虹を!』。有機農業は大変だけど子供たちのために頑張っています」と笑顔で話す。

 東樋口さんは「子供に、体に良い物を食べさせたい」という思いから、4年前に就農した。現在は水稲1㌶、露地50㌃で野菜を年間20品目を栽培する。

 土作りに力を入れ、野菜の自家採種も行う。「種を1、2年と取り続けると虫が付きにくくなり、圃場の土や肥料に合ってくる。また、緑肥作物を用いて土を育てています」と話す。

 親戚から田んぼを借りたことを足掛かりに安堵町の営農組合に所属した。その後は毎年、紹介を受けて面積を徐々に増やしている。「有機栽培の開始当時は田んぼの草を抑えきれずに苦情が出たことがあった。それでも、たくさんの方々に励ましてもらって感謝しています」と東樋口さんは話す。

 3年前から取り組むのが、町内外の消費者などを対象にした米作り体験だ。

 泥遊びや田植え、草引き、稲刈りと年間通して企画を立て米作りの流れを体験してもらう。さらに、収穫した米で餅つき大会を行う。

 餅を食べて「おいしい!」と笑顔を見せる子供たちに、東樋口さんが「君たちが作ったお餅だよ」と話すと、みんな目を輝かせて誇らしげに「僕が草を取ったからたくさんできたんだ」と口々に話し出すという。「そんな子供のまなざしこそが僕の原動力」とうれしそうな東樋口さん。

 農園の収穫物は、県内の道の駅や有機栽培野菜を扱う店に卸す他、会員制交流サイト(SNS)を通じて注文を受け、宅配している。野菜の品質の評価が口コミで広まり、今では30軒から注文を受ける。

 今後については、「野菜の種類を増やし、地元の子供たちや家族みんなが体験できる環境づくりをしていきたい」と話す。

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