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2018年8月31日
~県育成の新トウガラシ「やまと甘なんばん」収量増へ力を合わせて~
曽爾村 山浦 康二 さん
「『やまと甘なんばん』は辛くないトウガラシなので幅広い年代にアピールできます」と話すのは、曽爾村で野菜(ハウス23㌃)を生産する山浦康二さん。御杖村の大澤洋道さん(ハウス13㌃)、宇陀市の柏木英俊さん(ハウス50㌃)の3人で「やまと甘なんばん生産協議会」を設立し、昨年からハウスでの栽培に取り組んでいる。
やまと甘なんばんは、奈良県農業研究開発センターなどが、大和の伝統野菜「ひもとうがらし」とカプシエイト高含有品種から開発した。奈良県が品種登録を行い、生産から販売まで全て管理している。生産者は出荷先である飲食店を県に報告してからでないと販売することができない。
山浦さんらは、販売先が限定され差別化されていることに魅力を感じ、2017年6月に生産協議会を設立した。
メンバーの大澤さんは「食味・食感は、ひもとうがらしよりも柔らかく、種を気にせず、生でも食べることができる」という。さらに、「量販店には出回らず、限られた飲食店でしか食べることができないから希少価値が高い。やりがいを感じています」と柏木さんも話す。
やまと甘なんばんの苗は、5月に農業研究開発センターから購入して、露地やハウスへ定植。7月中旬、実の長さが約12㌢、太さが約1㌢になると出荷を始める。
今年は猛暑の影響で、草丈が思うように伸びず、また、実が曲がってしまうなどの影響も出て、昨年より出荷量が少ないという。
今後について、「暑さ対策など、みんなで試行錯誤し合い、やまと甘なんばんのおいしさを伝えていきたい。また、来年は、1人当たり苗50本を目標に栽培し、収穫量を増やしたい。そして新たな販売先を見つけたい」と3人は意気込む。