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2021年10月11日
~ニンニク生産 質を追求~ リン酸追肥で吸収促進
田原本町 株式会社鎌田ファーム 鎌田 淳さん 恵津子さん
「私たちの作るニンニクを多くの方に食べてもらいたい」と話す田原本町の鎌田淳さんと恵津子さん夫妻。品質向上を目指し、管理に余念が無い。
鎌田さん夫妻が運営する株式会社鎌田ファームは2011年に設立。在来大豆「大鉄砲」7・5㌶とニンニク30㌃を管理する。
鎌田さんは料理好きが高じて「自分でニンニクを栽培してオリジナル料理を作りたい」と思い、08年に就農したという。
ニンニク栽培での鎌田さんの工夫は、リン酸の施用法だ。
リン酸は、多く与えても土壌中の物質と結合してしまい、ニンニクが吸収利用しづらくなることに着目し、民間農法の一つ「リン酸追肥農法」に取り組んだ。元肥には牛ふんなどを施用した後、リン酸・カリウム混合肥料を、生育に合わせて追肥している。
従長が防止でき、品質向上が実現したことから、「良品質のニンニクが多く育つようになった」と淳さんは話す。
また、他の産地のニンニクに比べて臭いが少ないという分析結果も得ていて、購入者から「独自の臭いがしないので食べやすい」と評価されている。
需要の拡大を狙って加工も手掛ける。商品群は「生ニンニク醤油漬け」「きざみにんにく醤油漬け」、黒ニンニクなど。黒ニンニクは70度の温度で2週間熟成させたものだ。ニンニクと加工品はJAならけんの農産物直売所「まほろばキッチン」をはじめ県内8店舗、関東地方に出荷する。
今後について、「リン酸追肥農法を多くの方に知ってもらいたい。そして、楽しい農業を次世代に伝えていきたい」と鎌田さん夫妻は意欲的に話す。